母子家庭(シングルマザー)のための手当や支援制度とは?

母子家庭 支援

何らかの事情により、女性一人で働きながら子どもを育てるということは、精神的にも経済的にも大変なことです…。

厚生労働省による「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」によると、母子家庭の世帯数は約123万世帯、平均年間収入は243万円となっており、父子家庭(約19万世帯)の平均年間収入420万円と比較するとかなりの差があります。

そんな母子家庭を支援するために、国や各自治体ではさまざまな手当や助成制度を実施しています。

今回の記事では、母子家庭の方が受けとることのできる手当や助成制度、支援制度について、代表的なものをご紹介したいと思います。

まずは、母子家庭の方が受けられる手当から見ていきましょう。
 
 

1.母子家庭が受けられる手当

 
母子家庭の方が受給できる手当には、主に次のものがあります。

・児童手当
・児童扶養手当
・児童育成手当(主に東京都)

順番にご説明しますね。
 
 

児童手当

 
児童手当は、母子家庭に限らず、中学校を卒業するまでの児童を養育する人を対象に国から支給されます。
児童手当の支給額は、児童の年齢と人数によって次のように異なります。

 

0歳から3歳児未満 月額15,000円
3歳から小学校修了までの第1子、第2子

月額10,000円(第3子以降月額15,000円)

中学生 月額10,000円

 

なお、児童手当には所得制限が設けられており、これを超えた場合には、当分の間特例給付として一律月額5,000円が支給されるようになっています。

支給は年間3回で、6月(2月分~5月分)、10月(6月分~9月分)、2月(10月分~1月分)です。

児童手当を受け取るには各自治体での手続きが必要です。
また、児童手当の支給条件を満たしているかどうかは、毎年6月1日に判定されます。

そのため、毎年居住地の市区町村役所に現況届を提出する必要があります。
現状届は、毎年6月に役所から郵送されますので、月末までに手続きを忘れずに行うようにしましょう。
 
 

児童扶養手当

 
母子、父子家庭などひとり親家庭を対象とした制度です。
18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある児童(障害児の場合は20歳未満)を養育している場合に支給されます。

児童手当と同様に扶養人数や所得制限に応じて支給金額が異なります。
平成30年4月からの支給額は次の通りです。

<児童が1人の場合>

全額支給・・・42,500円
一部支給・・・42,490円~10,030円

<児童が2人以上の場合の加算額>

(2人目)全額支給・・・10,040円、一部支給・・・10,030円~5,020円
(3人目以降1人につき)全額支給・・・6,020円、一部支給・・・6,010円~3,010円

児童扶養手当にも、所得制限が設けられています。
所得制限限度額表による額以上の所得がある場合は、資格認定されても手当は支給されません。

平成30年の所得制限限度額表は次のとおりです。

 

扶養親族などの人数 受給者本人 孤児等の養育者・配偶者・扶養義務者
全部支給 一部支給
0人 19万円未満 192万円未満 236万円未満
1人 57万円未満 230万円未満 274万円未満
2人 95万円未満 268万円未満 312万円未満
3人 133万円未満 306万円未満 350万円未満
4人 171万円未満 344万円未満 388万円未満
5人 209万円未満 382万円未満  426万円未満

 

扶養者の所得などによって全額支給されない一部支給の場合では、次のような計算式で支給額が決定されます。

<一部支給の支給額計算式>

一部支給の手当額 = 42,500 ―〔(受給資格者の所得額※1 ― 所得制限限度額※2)× 0.0187630 +10円〕

※1 受給者の所得額とは、収入から給与所得控除等の控除を行い、養育費の8割相当額を加算した額です。
※2 上の所得制限限度額表の本人(母、父又は養育者)欄の「全部支給の所得制限限度額」の金額であり、扶養親族等の数に応じて額が変わります。

児童扶養手当は、申請が受理された月の翌月分から計算が開始されますが、実際に現金として支給されるのは年間3回です。
支給月は、4月(12月~3月分)、8月(4月~7月分)、12月(8月~11月分)です。
 
 

児童育成手当

 
児童育成手当は国の制度ではなく、東京都での制度名で、18歳までの児童1人につき月13,500円の手当てを受け取ることができます。
児童手当、児童扶養手当と同様に所得制限があります。

各自治体で独自の手当を支給している場合がありますので、お住まいの地域の市役所・区役所などへの問い合わせが必要です。

ここまで、児童手当、児童扶養手当、児童育成手当の3つの手当てをご紹介しました。
これらの他にも、お住まいの地域によっては、ひとり親世帯に対する住宅手当の支給等を実施している場合があります。

市区町村独自の制度で、支給条件や内容なども各市区町村によって異なりますので問い合わせて確認するようにしましょう。

 

それでは、次に、母子家庭の方を対象とした、医療費の助成制度についても見ていきましょう。
 
 

2.母子家庭のための医療費助成制度

 
母子家庭 医療費

 
母子家庭の方が利用できる医療費助成制度には、次の2つがあります。

・ひとり親家庭医療費助成制度
・こども医療費助成制度

それぞれの内容は以下の通りです。
 
 

ひとり親家庭医療費助成制度

 
母子(父子)家庭を対象に、世帯の保護者や子どもが病院や診療所で診察を受けた際に、保険診療の自己負担分を住居地の市区町村が助成する制度です。
市区町村独自の制度ですので、助成内容は各市区町村で異なります。

対象者は、ひとり親家庭の児童(0~18歳に達した日以降の最初の3月31日まで)および、その児童の保護者(母もしくは父、又は父母以外の養育者)です。

助成を受けるには、お住まいの市区町村で手続きをする必要があります。
所得制限があり、主に先にご紹介した「児童扶養手当」の所得制限と同じものです。
 
 

こども医療費助成制度

 
母子家庭などのひとり親家庭のみではなく、支給対象となる子どもがいるすべての家庭を対象とした制度です。
国から補助を受けて、各市町村が実施しています。

支給対象となる子どもについては、小学校就学前、12歳まで、など各自治体によって異なります。
通院や入院でかかった保険診療の自己負担額の一部が助成されますが、助成金額や所得制限の有無についても、各自治体で違いがありますので、お住まいの市区町村に確認しましょう。

 

次に、母子家庭のための就業支援制度について見ていきましょう。
 
 

3.母子家庭のための就業支援制度

 
マザーズハローワーク

 
母子家庭の方の経済的な自立を促すための就業支援制度や、学びなおしを支援する制度、給付には、次のようなものがあります。

・マザーズハローワーク
・自立支援教育訓練給付
・高等職業訓練促進給付金等事業
・ひとり親家庭高等学校卒業程度認定試験合格支援制度

 
 

マザーズハローワーク

 
ハローワークの中でも、特に子育てをする女性の就職活動をサポートしてくれるのが、マザーズハローワークです。
平成30年現在、マザーズハローワークは全国に21箇所あり、マザーズコーナー(マザーズハローワーク未設置地域のハローワークに設置)は178箇所(平成30年設置予定含)あります。

マザーズハローワークでは、子育て中の女性のための求人を中心に職業紹介が行われています。
施設によってはキッズコーナーが設けられており、子どもを連れて職業相談や紹介を受けることができます。
 
 

自立支援教育訓練給付

 
ひとり親家庭の親の、再就職やキャリアアップを支援する制度です。
都道府県や市区町村が定める教育訓練の対象講座を受講し修了した場合に、かかった経費の一部が支給されます。
 
 

対象となる人

 
対象となるのは、ひとり親家庭の母または父で、20歳未満の児童を扶養していて、次の用件をすべて満たす人です。

①児童扶養手当の支給を受けているか又は同等の所得水準にあること
②就業経験、技能、資格の取得状況や労働市場の状況などから判断して、当該教育訓練が適職に就くために必要であると認められること

 
 

支給額

 
支給される金額は、雇用保険の一般教育訓練給付金の受給資格のない人の場合は、対象講座の受講料の6割相当額(上限20万円)が支給されます。
ただし、6割相当額が12,000円を超えない場合は支給されません。

雇用保険の一般教育訓練給付金の受給資格がある人の場合には、上記の金額から、雇用保険の一般教育訓練給付金の支給額(受講料の2割相当額 上限10万円)を差し引いた金額が支給されます。

受講前に自治体から講座の指定を受ける必要があるので、事前にお住まいの地域の市役所や区役所に相談しましょう。
 
 

高等職業訓練促進給付金等事業

 
ひとり親家庭の母又は父が、看護師や介護福祉士等の資格取得のために1年以上養成機関で修業する場合に、修業期間中の生活の負担軽減のために「高等職業訓練促進給付金」が支給されます。

また、入学時の負担軽減のために、「高等職業訓練修了支援給付金」が支給されます。
 
 

対象となる人

 
対象となるのは、ひとり親家庭の母または父で、20歳未満の児童を扶養していて、次の用件を満たす人です。

①児童扶養手当の支給を受けているか又は同等の所得水準にあること
②養成機関において、1年以上のカリキュラムを修業し、対象資格の習得が見込まれること
③しごとまたは育児と修業の両立が困難であると認められること

 
 

支給額

 
支給される金額は、市町村税非課税世帯か課税世帯かによって異なります。

「高等職業訓練促進給付金」
・市町村民税非課税世帯・・・月額 100,000円
・市町村民税課税世帯・・・月額70,500円

※支給期間は、修業期間の全期間(上限3年)です。

「高等職業訓練修了支援給付金」
・市町村民税非課税世帯・・・50,000円
・市町村民税課税世帯・・・25,000円

※修了後に支給されます。

なお、対象となる資格は、看護師や介護福祉士、保育士等ですが、各都道府県等によって異なる場合があるので、注意が必要です。
 
 

ひとり親家庭高等学校卒業程度認定試験合格支援制度

 
高等学校を卒業していないひとり親家庭の親および児童が、より良い条件での就職や転職のため、高等学校卒業程度認定試験(以下、高卒認定試験)の合格を目指して対策講座等を受講した場合に、かかった費用の一部が支給される制度です。
 
 

対象となる人

 
対象となるのは、ひとり親家庭の親又は児童であって、次の要件の全てを満たす人です。
ただし、高校卒業者など大学入学資格を取得している人は対象になりません。

①ひとり親家庭の親が児童扶養手当の支給を受けている又は同等の所得水準にあること。
②就業経験、技能、資格の取得状況や労働市場などから判断して高等学校卒業程度認定試験に合格することが適職に就くため必要と認められること

対象となる講座は、高卒認定試験の合格を目指す講座(通信制講座を含む。)として、実施する都道府県等が認めたものです。

ただし、高卒認定試験の試験科目の免除を受けるために高等学校に在籍して単位を修得する講座を受け、高等学校等就学支援金制度の支給対象となる場合は、この事業の対象となりません。
 
 

支給額

 
支給される給付金には次の2種類があります。

①受講修了時給付金
→対象となる講座を受講するのに本人が支払った費用の2割(上限10万円)が支給されます。

②合格時給付金
→受講終了時給付金を受けた人が、受講修了日から起算して2年以内に高卒認定試験に全科目合格した場合に、対象講座受講のために本人が支払った費用の4割が支給されます。
受講修了時給付金と合わせて 上限15万円です。

つまり、条件を満たせば高卒認定試験の合格を目指して受講した講座の費用の6割(上限15万円)を受け取ることができます。

 

次に、母子家庭のため支援制度として、保育料の負担軽減制度について見てみましょう。
 
 

4.母子家庭への保育料負担軽減制度

 
多子家庭やひとり親家庭の方には、保育料の負担が軽減される制度があります。

年収約360万円未満のひとり親家庭の場合、第1子の保育料が半額、第2子以降の保育料が無償となります。
また、ひとり親世帯で、市町村民税非課税世帯の場合には、第1子から無償となります。

子どもが複数いるひとり親家庭の方にはありがたい制度ですね。
保育料の詳細については、お住まいの市町村にお問い合わせください。
 
 

まとめ

 
今回は、母子家庭の方が受け取ることの出来る手当てや助成、支援制度について代表的なものをご紹介しました。

上で挙げたものの他にも、電車やバスの運賃の割引制度や上下水道料金の割引制度、粗大ごみ等の手数料の減免制度など、母子家庭を支援する制度が実施されています。

各自治体主体の制度も多いため、お住まいの地域の役所でしっかり確認しましょう。
今回の記事が参考になれば幸いです。