ふるさと納税は、「納税」という名前がついていますが、実際には寄付のことです。
自分が選んだ都道府県、市区町村に対して寄付(ふるさと納税)をした場合に、その寄付額のうち2,000円を超える部分について、一定の上限まで、原則として所得税・個人住民税から全額が控除される制度のことです。
寄付をする団体は、自分の生まれ故郷やお世話になった場所など、自由に選ぶことができます。
今回は、そんなふるさと納税の仕組みや、手順などをご紹介します。
まずは、ふるさと納税の税金が控除される仕組みについてみていきましょう。
目次
1.ふるさと納税の仕組み
ふるさと納税では、寄付をした金額の2,000円を越える部分について、上限はありますが、所得税・個人住民税から全額控除されます。
まずは所得税から、次に個人住民税(基本分)、個人住民税(特例分)の順に全額控除されます。
控除のイメージは次のようになります。
表1
また、全額控除される寄付金額については、世帯構成や年収によって上限が異なります。
この上限金額を超えた部分は自己負担になります。
総務省のふるさと納税ポータルサイトに目安となる表がありますので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
総務省 ふるさと納税ポータルサイト
全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安https://www.soumu.go.jp/main_content/000408217.pdf
例えば、独身で年収が300万円以内の人が全額控除される寄付金額の上限の目安は、28,000円です。
つまり、28,000円以内のふるさと納税であれば、自己負担額は2,000円です。
ふるさと納税額-2,000円の金額が、所得税および個人住民税から控除されます。
2.税額控除を受けるには?
ふるさと納税の税額控除を受けるためには、「確定申告」をするか、「ワンストップ特例制度」の適用を申請するかの2つの方法があります。
ご自身の状況にあった手続き方法を選んでください。
2-1.確定申告の対象となる方
自営業の方や、不動産収入がある方など、もともと確定申告が必要な方はもちろんですが、住宅ローン控除や医療費控除などで、確定申告をすると税金の還付や控除を受けられる方も、同時にふるさと納税分も合わせて申告することになります。
確定申告をする場合は、ふるさと納税の寄付先の自治体数に制限はありません。
また、ふるさと納税をした翌年に確定申告を1度済ませれば手続きは終了です。
税額控除は、ふるさと納税を行った年の所得税から還付、そして、ふるさと納税を行った翌年度分の住民税の減額という形で行われます。
2-2.ワンストップ特例制度の適用を受ける方
平成27年4月以降、ふるさと納税ワンストップ特例制度というものが創設されました。
これは、本来確定申告が不要な給与所得者について、確定申告不要で税額控除を受けられる制度です。
ワンストップ特例制度の適用には、ふるさと納税先が5自治体以内の場合という条件があります。(※同じ自治体に複数寄付しても、1自治体計算になります)
特例制度の適用を希望する場合には、寄付先の自治体に特例の申請書を提出する必要があります。寄付の都度、各自治体に申請書等必要書類を送ることになっています。
ワンストップ特例の適用を受ける場合は、所得税からの控除は発生せず、ふるさと納税を行った翌年の6月以降に支払う、住民税の減額という形で控除されます。
もともと確定申告が不要な給与所得者の方で、ふるさと納税以外に申告するものがない方にとっては、書類を送付するだけで手続きが終わるのは便利な制度ですね。
3.ふるさと納税の手順とは?
ここでは、ふるさと納税の手順についてみていきましょう。
上でご紹介したように、ふるさと納税の税額控除を受けるには、確定申告を行う場合と、ふるさと納税ワンストップ特例が適用される場合とがあります。
それぞれについて手順を確認しましょう。
3-1.確定申告を行う場合
ふるさと納税で、確定申告をして税額控除を受ける場合の手順は、おおまかに次のとおりです。
表2
①寄付する自治体を決め、寄付の申し込みと寄付金の支払いを行う。
ふるさと納税の申し込み方法や納付方法については、各自治体によって違いがあります。
ふるさと納税をしようと考えている自治体のホームページで確認するか、直接問い合わせすると安心ですね。
②受領書や返礼品が送られてくる
ふるさと納税を行うと、確定申告の際に必要な寄付を証明する書類(受領書)が送られてきますので、大切に保管してください。
③確定申告を行う
ふるさと納税で支払った寄付金の還付・控除をしてもらうために、確定申告します。
確定申告の期間は、2月16日~3月15日です。確定申告には、勤務先からの「源泉徴収票」や、寄附後に寄附先の自治体から発行される「寄附金受領証明書」が必要です。
④、⑤税金の還付・控除
確定申告を行うと、寄附金から自己負担分の約2,000円 を差し引いた金額が控除されます。例えば、15,000円のふるさと納税を申し込んだ場合は約13,000円分が控除されます。
この場合、④ふるさと納税を行った年の所得税から還付、そして、⑤ふるさと納税を行った翌年度分の住民税の減額という形で控除されます。
3-2.ワンストップ特例が適用される場合
ワンストップ特例制度を利用して税額控除を受ける場合の手順は次のようになります。
表3
①寄付する自治体を決め、寄付の申し込みと寄付金の支払いを行う。
自治体によって申し込みや納付方法が異なることがありますので、しっかり確認しましょう。
②受領書や返礼品等が送られてくる
寄付金を受領した証明書や返礼品、特例の申請書(送付希望した場合)が届きます。
③ふるさと納税ワンストップ特例制度の申請書に必要事項を記載してふるさと納税を行った自治体に送付する
ふるさと納税ワンストップ特例制度の申請書は、正式には「寄付金税額控除に係る申告特例申請書」と言います。
この申請書の提出締め切りは、ふるさと納税を行った翌年の1月10日です。申請書の他に、マイナンバーがわかる書類と本人確認書類の提出が必要です。
申請書は、総務省や各自治体のホームページからダウンロードすることが出来ます。
年末に寄付の申し込みをされる場合には、自治体に送ってもらうよりも、ご自身でダウロードして送付するなどして対応したほうが安心ですね。
締め切り日までに申請を行わないと、特例を受けることができませんが、もし、この申請書の提出を忘れてしまっても、確定申告を行えば税金の還付・控除を受けることができます。
④税金が控除される
ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用した場合、所得税からの還付は行われず、その分も含めた控除額の全額が、翌年度の住民税の減額という形で控除されます。
所得税から還付される金額も、住民税から控除されますので、結果的には確定申告を行った場合と同額の控除を受けられます。
4.ふるさと納税の申し込み期限は?
ふるさと納税の申し込みができる期間は、1月1日から12月31日までです。
ただし、自治体によっては、金融機関の営業日や郵送にかかる日数等を考慮して、12月早めに締め切りを設定している場合もあります。
また、今年1年の所得に対する税金を軽減する目的であれば、今年1月~12月中にふるさと納税を行う必要があります。2019年の控除対象となるのは、ふるさと納税の受領証明書に記された入金日(受領日)が2019年12月31日までのものです。
年内に申し込みをしても、入金手続きなどに時間がかかってしまうと、今年の寄付金として処理されない可能性もありますので、年末にふるさと納税を考えている場合は、早めに申し込みするようにしましょう。
また、先ほどもご紹介しましたが、ワンストップ特例制度の申請書の提出期限は、寄付を行った翌年の1月10日です。特例の適用を希望する場合は、提出期日までに申請書や本人確認書類等の必要書類を寄付先の自治体に送付しましょう。
5.まとめ
今回は、ふるさと納税について、その仕組みや手順についてご紹介しました。
何を基準にしてふるさと納税先を選ぶかにもよりますが、世帯構成や年収によって全額控除される納税額が異なりますので、注意が必要ですね。
また、ワンストップ特例制度の利用を考えているのであれば、上の納税額に加えて、5自治体以内という制限もあります。
確定申告を行う場合には、寄付を行ったことがわかる証明書等は大切に保管し、期間内に申告をするようにしましょう。
申告を忘れてしまうと、本当にただ寄付をしただけになってしまいます。
今回の記事が参考になれば幸いです。