【小規模事業者持続化補助金】経営計画書と補助事業計画書の作成方法は?

持続化補助金 申請

小規模事業者が商工会・商工会議所の支援を受けながら、地道な販路開拓や生産性向上の取り組みを行う場合に、国がその資金の一部を補助する制度が、小規模事業者持続化補助金です。

具体的には、販促用のチラシの印刷代やネット販売システムの構築費用といった宣伝広告費や新商品の開発費、開発に必要な図書の購入費、専門家の助言に対する謝礼金などの費用を補助してくれる制度です。

基本的な補助率は3分の2、上限額は50万円です。
60万円かかる場合は、その3分の2の40万円を、75万円以上の経費については、上限額50万円の補助を受けることができます。

資金繰りに悩む小規模事業者の方にとってはとても助かる制度ですね。

申請時には、経営計画書補助事業計画書といった自社の今後の経営計画や補助を受けようとしている事業についての詳細な計画書が必要になります。

今回の記事では、経営計画書と補助事業計画書の作成方法についてご紹介したいと思います。まずは、どちらにも関係のある「審査の観点」から確認しましょう。
 
 

小規模事業者持続化補助金 審査の基準とは?

審査の観点

 
公募要領を確認すると、「審査の観点」という部分があります。
小規模事業者持続化補助金の審査には、Ⅰ基礎審査Ⅱ加点審査があります。
 
 

Ⅰ基礎審査

 
Ⅰ基礎審査では、補助金を申請するにあたっての要件を満たしているか、必要な書類がそろっているかがチェックされます。

具体的には次の4つの項目が挙げられています。

  • ①必要書類がすべて提出されていること
  • ②公募要領の示す補助対象者、補助対象事業の要件に合致すること
  • ③補助事業を遂行するために必要な能力があること</li>
  • ④小規模事業者が主体的に活動し、その技術やノウハウ等をもとにした取組であること

これらの要件を満たさない場合は、審査すらしてもらえません。
特に④は補助事業計画書に関わる部分ですので、しっかり確認して作成に取り掛かりましょう。
 
 

Ⅱ加点項目

 
Ⅱ加点項目では、経営計画書と補助事業計画書について、審査の際に加点する項目が示されています。

加点審査の後、総合的評価の高いものから採択されます。
公募要領によれば、加点項目は次のとおりです。

  • ①自社の経営状況分析の妥当性
    ・自社の製品・サービスや自社の強みを適切に把握できているか。
  • ②経営方針・目標と今後のプランの適切性
    ・経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえたものになっているか。
    ・経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえたものになっているか。
    ※事業承継計画書提出者については、事業承継計画の内容も含めて審査されます。
    ※「今後の設備投資計画」(「様式2」の項目4-2)が記載されている場合は、同計画の内容も含めて審査されます。
  • ③補助事業計画の有効性
    ・補助事業計画は具体的で、自社にとって実現可能性が高いものとなっているか。
    ・地道な販路開拓を目指すものとして、補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか。
    ・補助事業計画には、小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか。
    ・補助事業計画には、ITを有効に活用する取り組みがみられるか。
  • ④積算の透明・適切性
    ・事業費の計上・積算が正確・明確で、事業実施に必要なものとなっているか。

以上が、公募要領に示されている加点項目です。
自社に当てはまる部分についてしっかりと確認してくださいね。

小規模事業者持続化補助金は書類審査のみですので、審査員に伝わるように分かりやすく、簡潔に作成することが大切です。

これらを踏まえた上で、経営計画書の作成方法について見ていきましょう。
 
 

経営計画書の作成方法は?

経営計画書類

 
ここでは、経営計画書の企業概要、顧客ニーズと市場の動向等の項目について作成のポイントを見ていきたいと思います。
 
 

1.企業概要

 
自社の企業概要について記入します。

公募要領の作成例をみると、自社の概要として記入する項目は、開業年月日や店舗(事務所)の立地条件、業種、営業時間、組織構成(店舗の場合は規模や従業員数など)など、自社についての基本的な情報を記入していきます。

また、例とあわせて事務局のコメントが書かれていますので、こちらも参考にしましょう。

この項目のコメントは、「※どのような製品やサービスを提供しているかお書きください。
また売上げが多い商品・サービス、利益を上げている商品・サービスをそれぞれ具体的にお書きください」とあります。
 
 

2.顧客ニーズと市場の動向

 
次に、「顧客ニーズと市場の動向」の項目について見ていきましょう。

事務局のコメントは、「お客様(消費者、取引先双方)が求めている商品・サービスがどのようなものか、また自社の提供する商品・サービスについて、競合他社の存在や対象とする顧客層の増減など売上げを左右する環境について、過去から将来の見通しを含めお書きください」となっています。

コメントを踏まえて、誰に対して商品やサービスを提供するのか、どういったニーズがあるのか、について詳しく記入しましょう。

顧客の増減や自社を取り巻く環境等について、過去から現在までの移り変わりを具体的な数値を用いて表すと分かりやすいですね。

競合他社については、いくつか競合他社を挙げて自社の商品・サービス、顧客層等の違いなどを比較した表などを載せると見やすくて良いと思います。

市場については、統計資料などを用いて具体的な数字を用いると分かりやすいです。
 
 

3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み

 
次に、「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の項目について見ていきましょう。

事務局のコメントは、「※自社や自社の商品・サービスが他社に比べて優れていると思われる点、顧客に評価されている点をお書きください」とあります。

コメントに従い、「自社の強み」、「自社の商品・サービスの強み」、「自社の商品・サービスが顧客に評価されている点」を記入しましょう。

自社や自社の商品・サービスの強みについては、つい力が入ってしまって文章が長くなりがちなこともありますので、箇条書きにするなどして簡潔にまとめると良いでしょう。

また、自社の商品・サービスが顧客にとってどのようなメリットがあるのかなど、顧客目線で作成すると、顧客に評価されている点につながるので書きやすいかもしれません。

顧客に評価されている点では、実際にお客様の声を聞いて記入すると、信憑性があってよいですね。
 
 

4.経営方針・目標と今後のプラン

 
最後に、「経営方針・目標と今後のプラン」の項目について見てみましょう。

事務局のコメントには、「※1.~3.でお書きになったことを踏まえ、今後どのような経営方針や目標をお持ちか、可能な限り具体的にお書きください。

また、方針・目標を達成するためにどのようなプラン(時期と具体的行動)をお持ちかお書きください」とあります。

1~3までで記入した自社を取り巻く状況を踏まえた上で、今後どのようにビジネスを進めていくのか、またどういった目標や課題があるのか、そして、今後の経営方針のもとでの目標の達成や課題の解決への具体的な取組みや時期について記入していきます。

目標や課題については、過去の数値や見込みなどを表にすると分かりやすいですね。

また、この目標の達成や課題の解決によって顧客の得られるメリットについても忘れずに記入しましょう。

 


 

ここまでで、経営計画書の作成が終了です。

では次に、補助事業計画書の作成について見ていきましょう。
 
 

補助事業計画書の作成方法は?

補助事業計画書

 
補助事業計画書では、補助事業を行うことで、経営計画書で記入した経営方針や目標(課題)の達成の実現につながる、ということを念頭において作成しましょう。

補助事業については、公募要領にあるように、「策定した「経営計画」に基づいて実施する、地道な販路開拓等のための取組であること。

あるいは、販路開拓等の取組とあわせて行う業務効率化(生産性向上)のための取組であること」とされています。

また、事業の完了後1年以内に売り上げにつながることが見込まれる事業活動、ともされています。

なお、「補助事業計画書」の項目は以下の通りです。

  • 補助事業で行う事業名
  • 販路開拓等の取組内容
  • 業務効率化(生産性向上)の取組内容
  • 補助事業の効果

 

1.補助事業で行う事業名

 
補助事業で行う事業名は、必須記入項目です。
規定文字数内(30 文字以内)で簡潔に記入しましょう。

誰が見てもわかる表現にすることを意識してください。

2.販路開拓等の取組内容

自社が行う販路開拓等の取組み内容について記入します。

事務局のコメントは、「※本事業で取組む販路開拓などの取組について、何をどのような方法で行うか、具体的にお書きください。
その際、これまでの自社・他社の取組と異なる点、創意工夫した点、特徴などを具体的にお書きください」とあります。

このコメントを踏まえると、記入する項目は、「新しい商品・サービスの内容」、「販路開拓の具体的な方法」、「これまでの自社の取組みと異なる点」、「これまでの他社の取組みと異なる点」、「創意工夫した点、特徴」となります。

まずは、「新しい商品・サービスの内容」から書き始めましょう。どのような目的で新しい商品・サービスを実施するのか、またその具体的な内容を記入します。自社にとって実現可能な内容なのか、売上げにつながるのか、といったことも踏まえて記入します。

「販路開拓の具体的な方法」については、具体的に「いつ」、「何をするのか」といったことを記入しましょう。時系列で書くとわかりやすいですね。

そして、「これまでの自社の取組みと異なる点」を記入します。
自社において新しい取組みであることを強調しましょう。

新規顧客の開拓につながる点も併せて記入します。
また、「これまでの他社の取組みと異なる点」として、競合他社の行う同様のサービスとの違いについて記入します。

「創意工夫した点」では、新しい商品・サービスについて、小規模事業者ならではの目線で工夫した点や、特徴についてわかりやすく記入しましょう。
 
 

3.業務効率化(生産性向上)の取組内容

 
ここは、任意記入項目です。
公募要領に記載された項目に該当する場合は記入します。

特になければ空欄のまま提出しても大丈夫です。
 
 

4.補助事業の効果

 
補助事業を行うことで、どういった効果が得られるのかについて記入します。

事務局のコメントには、「※本事業を行うことにより、売上げ、取引などにどのような効果があるか可能な限り具体的にお書きください。
その際、事業を行うことがその効果に結びつく理由も併せてお書きください」とあります。

このコメントを踏まえて、補助事業を行うことで「新しい商品・サービスの売上げや利益はどのくらいになるのか」、「新しい商品・サービスを行うことで既存商品・サービスにどのような影響があるのか」といったことや、「売上げや利益以外の経営指標にはどのような効果があるのか」といったことを具体的な数値を挙げて記入するようにしましょう。

上でも書きましたが、補助事業の完了後1年以内に売り上げにつながることが見込まれる事業活動が対象とされていますので、1年以内に見込まれる売上げや利益について書く必要がありますね。

また、この補助事業を行うことが「経営計画」の今後の経営方針や目標を達成するために有効である、という点もあわせてアピールしていきたいですね。
 
 

まとめ

 
今回は、小規模事業者持続化補助金の申請に必要な「経営計画書」と「補助事業計画書」の作成方法についてご紹介しました。

公募要領に作成例や事務局のコメントが記載されていますので、作成の前にしっかり確認するようにしましょう。

ポイントは簡潔な言葉や数字、表を用いてわかりやすく記入することです。
上でも書きましたが、書類審査しかありませんので、要点をおさえた読みやすい文章を心がけましょう。