IT導入補助金特別枠(C類型)の概要や補助率、申請の流れをご紹介

中小企業・小規模事業者のソフトウェアなどITツールの導入を支援してくれる「IT導入補助金」。
今年度は、新型コロナウイルス感染症対策に対応した支援内容の「特別枠(C類型)」が設けられています。

特別枠(C類型)では。IT導入補助金「A・B類型」では対象外となっていたハードウェアのレンタルにも対応可能となり、テレワーク設備の環境を整えるための取り組みに活用できます。

今回は、IT導入補助金特別枠(C類型)について、概要や補助対象事業、補助率、申請の流れなどをご紹介します。

1.IT導入補助金特別枠(C類型)の概要


IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者が日々の業務の効率化や情報の共有・一元管理など、生産性の向上を目的としてITツールを導入する際に、その費用の一部を補助してくれる制度です。

ITツールには、ソフトウェアやクラウドサービス、これらに付随するオプション・役務などが含まれます。また、補助の対象となるITツールは、IT導入支援事業者が事前に事務局へITツールの登録申請を行い、外部審査委員会等の審査を経て事務局に登録されたものに限られます。

今回の特別枠(C類型)の対象となる経費は、ソフトウェアの購入費用や、導入に関連する費用、ハードウェアのレンタル費用などです。

補助の対象となる事業者は日本国内で事業をする中小企業・小規模事業者で、製造・建設・運輸・飲食・卸売り・サービス・小売り・旅館・医療法人・学校法人など、幅広い業種が対象とされています。

補助対象となる事業について詳しく見てみましょう。

1-2. IT導入補助金特別枠(C類型)の補助対象となる事業は?

IT導入補助金特別枠(C類型)の補助金の対象となるのは、以下の甲・乙・丙のいずれかを踏まえて取り組む、自社の生産性向上を目的とした事業です。

甲:サプライチェーンの毀損への対応
顧客への製品供給を継続するために必要なIT投資

乙:非対面型ビジネスモデルへの転換
非対面、遠隔でのサービス提供を可能とするビジネスモデルへの移行に必要なIT投資

丙:テレワーク環境の整備
従業員がテレワーク(在宅勤務など)で業務を行う際の環境を整えるのに必要なIT投資

IT導入補助金特別枠(C類型)では、対象となる経費の6分の1以上が、これら3つのいずれかの要件に合致する投資である必要があります。

対象となる経費の内容や、補助対象となるITツールの分類については、以下の図の通りです。

(出典:「IT導入補助金2020【特別枠】公募要領p.12)

今回の特別枠(C類型)で注目されているのが、ハードウェアのレンタル費用が対象となっている点です。対象となる機器及び周辺機器は、次の通りです。

A. デスクトップ型PC、ラップトップ型PC、タブレットPC、スマートフォン
B. Aに接続し、上記の「甲・乙・丙」いずれかの目的に対応したWEBカメラ、マイク、スピーカー、ヘッドセット、ルーター、ディスプレイ、プリンター
C. 「乙」の目的に対応したキャッシュレス決済端末及び付属品

※レンタル費用は、レンタル開始日から1年分を上限として補助対象となります。
また、対象となるのはレンタル費用のみで、購入費用は対象経費となりませんので注意しましょう。

なお、今回の特別枠(C類型)では、交付決定後に実施する事業に加えて、特例として遡及(さかのぼり)申請も補助対象事業として認められています2020年4月7日以降に導入したITツール等についても、一定の条件と審査の下、対象経費となります

次に、申請類型と補助率についてみていきましょう。

1-3. IT導入補助金特別枠(C類型)の補助率は?

特別枠(C類型)では、上で挙げた「甲・乙・丙」の取り組みのうち、「甲」のみでの申請、「乙」と「丙」を1つ以上含む申請、では補助率が異なります。

<C類型-1>
「甲」のみを目的としたツール
補助金申請額:30万円~450万円  補助率:3分の2

※補助金申請額が150万円以上の場合、「公募要領」で定められた賃上げ目標に取り組んでいることが必須要件です。

<C類型-2>
「乙」と「丙」1つ以上を目的としたツール
補助金申請額:30万円~450万円  補助率:4分の3

※補助金申請額が300万円以上の場合、「公募要領」で定められた賃上げ目標に取り組んでいることが必須要件です。

以上が、 IT導入補助金特別枠(C類型)の概要です。ここからは、申請・手続きから補助金の受給までの流れについて確認しましょう。

2. IT導入補助金特別枠(C類型)の申請から補助金の受給までの流れ


IT導入補助金の申請は次のような流れになっています。ITベンダーと中小事業者等が共同で交付申請、実績報告を行うことになっています。


(出典:IT導入補助金2020HP「申請・手続きフロー」 https://www.it-hojo.jp/procedure/)

ここからは、申請から補助金の受給までの中で、中小企業・小規模事業者が行うことや手続きについてみていきます。

1.事前準備
IT導入補助金のホームページや公募要領で補助事業内容等について確認します。
また、IT導入支援事業者へ、補助対象事業に関する問い合わせや相談を行います。

IT導入補助金の申請方法については、今年度より完全にオンライン申請となり、 gBizIDプライムアカウントの取得が必須となりました。持っていない場合には、gBizIDのサイトで作成しておきましょう(2週間ほどかかります)。

2.ITツールの選定
自社の課題を解決してくれるITツールを選定します。IT導入補助金のHPで検索することもできます。
IT導入支援事業者に問い合わせや相談をして選ぶことも可能です。

3.交付申請
導入するITツールの選定が終わったら、当該のツールを取り扱うIT導入事業者に連絡し、申請時に必要な書類等の準備を進めます。

3-1.交付申請に必要な添付書類
交付申請に必要な添付書類は、法人と個人事業主の場合で異なります。

<法人の場合>
・履歴事項全部証明書(発行から3ヵ月以内のもの)
・直近分の法人税の納税証明書(「その1」もしくは「その2」)
 
<個人事業主の場合>
・運転免許証(有効期限内)もしくは、運転経歴証明書もしくは住民票(発行から3ヵ月以内のもの)
・直近分の所得税の納税証明書(「その1」もしくは「その2」)
・直近分の確定申告書Bの控え(税務署の受領印または受領通知があるもの)

IT導入補助金は、IT導入支援事業者と共同で申請を行います。申請の流れは次のようになります。

①GBizIDのアカウントが交付されたら、IT導入支援事業者に「申請マイページ招待」を受け、「申請マイページ」を作成します。
②「申請マイページ」上で申請に必要な情報の入力、書類の添付を行います。
③IT導入支援事業者にて導入するITツールの情報や事業計画値を入力します。
④「申請マイページ」上で申請内容の最終確認、第三者の確認、申請に対する宣誓を行い、交付申請を提出します。

以上で、交付申請は完了です。

4.交付決定
事務局にて申請内容や添付書類の確認・審査を行い、補助事業者の採択・交付決定が行われます。採択されたら、「申請マイページ」上で連絡があります。

5.補助事業の実施
「交付決定通知」を受領したら、補助事業を実施します。ITツールの契約や発注、納品、代金支払いを行います。
ただし、遡及申請可能期間中にITツールの契約を行った場合の交付申請で、交付決定を受けた場合は、交付決定後に速やかに事業実績報告を行います。

6.事業実績報告を行う
申請した事業がすべて終了したら、補助事業者とIT導入支援事業者で、事務局に「事業実績報告書」を提出します。

その後、補助金の交付申請を行い、報告した実施内容に問題がなければ、補助金が支払われます。

以上が、 IT導入補助金の申請から補助金の受給までの流れです。

2-1.IT導入補助金特別枠(C類型)の申請締め切り日

IT導入補助金特別枠(C類型)の申請締め切り日や事業実施期間、事業実績報告書の締め切り日を確認しておきましょう。

<第7次締め切り分>
申請締め切り日:2020年10月2日(金)17:00まで<予定>
交付決定日:2020年10月30日(金)<予定>
事業実施期間:交付決定日~2021年3月31日(水)
事業実績報告期間:2021年3月31日(水)17:00

<第8次締め切り分>
申請締め切り日:2020年11月2日(月)17:00まで<予定>
交付決定日:2020年11月27日(金)<予定>
事業実施期間:交付決定日以降~ 2021年6月30日(水)
事業実績報告期間:2021年6月30日(水)17:00

申請には、 GBizIDプレミアムアカウントの作成や、事業実施計画の作成、必要書類の準備など時間がかかります。
補助金の申請を考えている場合は、早め早めに準備していきましょう。

3.まとめ

今回は、IT導入補助金特別枠(C類型)について、概要や対象となる補助事業、補助率、申請の流れ等をご紹介しました。

今回の特別枠では、 A・B類型と比較して遡及申請が可能である点、ハードウェア機器のレンタル費用が対象経費となる点が特徴です。また、A・B類型の補助率は、2分の1ですが、C類型は3分の2、もしくは4分の3となっており、より多くの補助を受けられるようになっています。

新型コロナウイルスの影響を受けて、通常通り営業できない事業者の方も多いと思いますが、今回の特別枠(C類型)を活用して、事業の効率化やITツールを利用した生産性向上を実践していきましょう。

今回の記事が参考になれば幸いです。