IT、ICT、IoTそれぞれの意味と違いは?

IT ICT IOT

近頃よく目にするようになったICTやIoTという言葉。

どちらもITに関連した用語ですが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか?

この記事では、それぞれの言葉の意味と違いをご紹介します。

まずは、ITとICTについて見ていきましょう。
 
 

1.ITとICTの意味と違い

 
ITとは、「Information Technology」の略で、「情報技術」と訳されます。

コンピューターやデータ通信に関する技術の総称のことです。
具体的には、コンピューターのハード・ソフトウェアやシステムの構築、通信インフラ・技術などがITに含まれます。

一方で、ICTとは「Information and Communication Technology」の略で、「情報通信技術」と訳されます。
ICTは、ITとほぼ同じ意味合いですが、大きな違いとしては、「Information」と「Technology」の間に「Communication」という言葉が入っているところですね。

このことから、ICTは「情報技術を活用して知識を共有する」といったコミュニケーションに重きをおいた言葉と捉えることができます。

ITとICTは、はっきりと区別されているわけではありませんが、一般的にコンピュータ関連の技術そのものをIT、こういった技術の活用に関することをICTと呼んで使い分けされることもあります。

従来日本ではITという言葉が使われてきましたが、国際的にはICTの方が一般的なため、日本でもICTが定着しつつあります。
実際に、省庁での政策には、ITに代わってICTが用いられるようになってきています。
 
 

IT、ICTの活用例

 
IT、ICT化の例としては、次のようなものが挙げられます。

case① 会計ソフトのクラウド化

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例えば、会社の経理担当者が日々の取引などを会計ソフトや手書きの帳簿に手入力している場合、入力に多くの時間をかけたり、入力ミスがないかを確認していると、できあがったデータは1ヵ月以上も前のものになってしまうことがあります。

現代のスピードが求められる経営環境において、これでは、情報としては古くて経営材料に使えない(せっかくがんばって作業したのに!)ということに…

こういった問題点は、IT(ICT)を活用したクラウド型会計ソフトの導入で解決できます。

インターネット上で必要なデータを連携させ、コンピューターが自動で会計処理し、一瞬にして会計処理を済ませることが実現するのです。

また、最新の法改正や情報は、インターネット上で自動更新されるため、専門的な知識がなくとも、精度の高い処理が可能になります。

さらに、このクラウド会計ソフトには、AI(人工知能)が組み込まれていて、預金などでの毎月同じである取引を学習したり、取引情報から最適な会計処理をコンピューターが判断、学習し、自動で行ってくれます。

お店のレシートをスマホで撮影するだけで、そのまま自動で会計データにしてくれるサービスも、これらIT技術の進化によるものです。

これにより経理担当者や財務担当者はもとより、人員の限られる小規模企業・個人事業者であっても、リアルタイムな業績管理と会計データの経営への活用が可能になります。

このクラウド会計ソフトに代表されるIT活用の仕組みは、FinTech(:金融×IT)と呼ばれたりしています。

 

MEMO

クラウドとは、インターネット上に情報を保管し、そこにアクセスすることで、サービスを利用する方法をいいます。

代表的なものとしては、インターネットバンキングなどがそうです。

また、インターネットそのものもクラウドと言えます。

従来は、一部大企業などでしか使えなかった高度なシステムが、ITの発展により、クラウドサービスとして、安価で・誰でも・どこにいても使えるようになってきました。

 

case② 従業員の勤怠管理

  ict 勤怠管理

 
従業員の勤怠管理を紙面(タイムカード)で行っている会社では、急な欠勤といった変更情報の共有がスムーズにいかない、給与計算時に膨大な数のタイムカードの集計作業で時間に追われる!などの問題点があります。

こういった問題点も、インターネット上にてスケジュール管理システムを導入することで解決できます。

これにより管理担当者はリアルタイムでのシフト管理や、勤怠データを連携させた給与計算が可能になったり、スタッフはスマートフォンなどから最新の情報を閲覧することができます。

複数のコンピューター(スタッフなど)が同時にアクセスすることもできるため、それら情報の変更も即時に共有することが可能です。

このように、IT、ICT化により、従来とは比べものにならないレベルで、情報管理の効率化と高精度化、事務作業の省力化が実現されるのです。
 
 

case③ ICT教育

  ICT 教育

 
教育分野のIT、ICT化も進んでいます。従来は黒板、ノート、鉛筆、教科書などを使っていた授業について、パソコン(タブレット)、電子教科書、電子黒板、インターネットが利用されるようになってきました。

現在はアナログからデジタルへの過渡期にあたり、設備に関するコストや教員のIT、ICTへの対応などが課題となっています。

教科書をデジタル化した場合には、生徒1人につきタブレット1台が必要となります。

平成30年2月に発表された「平成28年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」によると、平成29年3月の時点では、コンピュータ1台あたりの児童生徒数は5.9人となっており、1人1台が実現されるにはもう少し時間がかかりそうです。

このインターネット上での学習システムは、エドテック(EdTech:教育×IT)と呼ばれ、FinTechとともに、国が推進するITの仕組みとなっています。


ここまでIT、ICT化の例を見てきましたが、いかがでしたか?
このように現在、お金や教育をはじめ、様々なものがインターネット上でつながり合い、高い品質でありながら瞬時にサービスを受けられる世の中になりつつあります。

では、次に比較的最近登場した言葉「IoT」についても見ていきましょう。
 
 

2.IoTとは?

 

IoT モノのインターネット
画像引用元:https://www.atpress.ne.jp/news/111500

 
IoTとは、「Internet of Things」の略称で、「モノのインターネット」とも言われます。

あらゆる「モノ」をインターネットに繋げる技術やそういった環境のことを指します。

IoTと似た意味を持つ言葉として、しばしば「ユビキタス」という言葉が取り上げられます。

ユビキタスとは、1990年代から提唱されていた、インターネットなどの情報ネットワークに、あらゆる場所からアクセスできる環境を指します。
ただ、ユビキタスはあくまでもモノを通じて人がネットワークにアクセスできることを目指したものでした。

IoTはそこからさらに踏み込んでネットワーク同士でつながったモノ同士が、人を介さなくてもお互いの情報を通信し連携し合うことを想定しています。

その結果、これまで人の手がで行っていた作業を自動化・効率化することが可能になってきます。

IoTは、経済産業省が推進するプロジェクト、コネクテッドインダストリーズとの関連でも注目を集めています。
 
 

IoTの活用例

 
IoTの活用例には次のようなものがあります。
 
 

case① スマート家電

 

インテリジェントホーム
※画像引用元:https://www.atpress.ne.jp/news/111500

 
イッツコムが提供する住宅用IoTサービス「インテリジェントホーム」では、コミュニケーションアプリ「LINE」上のアカウントを利用してトーク上から、自宅に設置した「インテリジェントホーム」のデバイスを「まとめて オン/オフ」にしたり、鍵を開けたりすることができます。

モーションセンサー、ドア・窓センサーなどのセンサーを検知するとLINEに通知がくるほか、IPカメラのセンサーが反応すると画像と一緒に通知を送ることも可能となっています。

子どもやペット、高齢の方の見守りなどに活用されています。
 
 

case② 介護分野での活用

 

モフトレ
※画像引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000009514.html

 
三菱総合研究所が提供する高齢者の自立支援サービス「モフトレ」は、センサー付のバンド(モフバンド)とiPadアプリを利用することで、大型器具やスペースなしでリハビリをすることが出来るシステムです。

介護サービスを行う施設で活用されています。

バンドについたセンサーが実際の体の動きのデータを取得し、端末上に表示します。
活動データは自動で保存され、利用者は、ゲームをするような感覚で無理なく運動やリハビリをすることができます。
 
 

case③ 農業の分野での活用

 
IoT 農業

 
ハウス栽培における水やりや肥料の自動システムが活用されています。

これは、農地に取り付けたセンサーで読み取った日射量や土壌の状況をもとに、水や肥料の量や与えるタイミングを計るというもの。
このシステムのおかげで、人手がいらなくなるばかりか、節水栽培までもが可能になります。

また、センサーから集めたデータと、陸上走行型ロボに取り付けたスマートフォンから撮影した画像データを、AIを用いて分析することで、作物の収量予測(個数カウント、収穫適期判定)も可能となっています。

田んぼや畑を、無人で走行する自動運転トラクターも代表的なIoTの例です。
 
 

case④ 医療分野での活用

 
IoT 医療

 
医療分野では、Apple Watchなどの着用型ウェアラブルデバイスを利用した自分の健康状態の記録・管理や医師との情報共有などが実現しています。

常にウェアラブルデバイスを身につけて置くことで、病気の予防に役立つのはもちろんのこと、急な容体の変化にも迅速に対応できるようになります。

また、医療現場の人材不足の対策としても今後ますますIoTの活用が期待されています。


このようにIoTは、さまざまなモノにインターネット通信機能を持たせることで、インターネット経由での情報のやり取りを行い、自動認識、自動制御させたり、遠隔操作することができます。

今後も生活の質や利便性の向上のため、インターネットに接続されるモノはどんどん増えていくでしょう。

実際に、国はICTの活用により高度につながり合う社会「ソサイエティ5.0」の実現を目指しており、同時に産業界では「コネクテッド・インダストリーズ(経済産業省)」を提唱し、ITの活用による、より高度化した新たな社会の実現を目指しています。
 
 

まとめ

 
IT、ICT、IoTのそれぞれの意味と違いについてご紹介しました。

IT、ICT化することで、これまで時間がかかっていた作業が効率化されたり、タブレット端末等でデータをやり取りすることでペーパーレス化やコスト削減が実現できたり…様々な問題を解決することができますね。

また、IoT技術は、企業の経営戦略の中でますます重要なテーマとなっています。
自社や顧客企業の課題を見極め、IoTを活用したサービスモデルや、ビジネスモデルを構築して、新しい技術を活用する方法を考え出す力が必要となっています。

今後もインターネットを利用した情報伝達方法は変化していくと予想されます。
今回ご紹介したIT、ICT、IoTはどれもインターネット社会を理解するための基本の用語です。

この機会にしっかり確認しておいてくださいね。