就業促進定着手当とは?支給金額や計算方法についてご紹介

就業促進定着手当

再就職したけれど、以前の仕事に比べてお給料が少なくなってしまった…

そんな時に国が減収分を補ってくれる制度が就業促進定着手当です。

就業促進定着手当は、再就職手当を受け取った人を対象とした支援制度の一つで、転職したけれど収入が減った、という人にとってはとてもありがたい制度ですね。

では、就業促進定着手当はどのくらいの金額が支給されるのでしょうか?

この記事では、就業定着促進手当の支給条件や金額、申請期限などについてご紹介したいと思います。

まずは、就業促進定着手当の支給条件について見ていきましょう。
 
 

1.就業促進定着手当の支給条件

 
就業促進定着手当を受け取るには、次の用件を満たしている必要があります。

 

  • ①再就職手当を受給していること
  • ②再就職先で6ヶ月以上働いていること
  • ③再就職先で雇用保険の被保険者となっていること
  • ④再就職先での6ヶ月間の賃金の1日分の額が、離職前の賃金日額より少ないこと

 

以上の4つの条件をすべて満たしている場合、就業促進定着手当を受け取ることができます。

※ただし、起業によって再就職手当を受給した場合には、就業促進定着手当を受け取ることが出来ませんので注意しましょう。

また、④の離職前の賃金日額が下限額(2,470円)の場合には、再就職後6ヶ月間の賃金の1日分の額が、離職前の賃金日額を下回ることはないので、支給を受けることはできません。

では、具体的にいくらくらいの金額がもらえるものなのでしょう?
 
 

2.就業促進定着手当の支給金額と計算方法

 

就業促進定着手当の計算式

 

就業促進定着手当の支給金額は、次の式で計算します。

(①離職前の賃金日額 – ②再就職後の6ヶ月間の賃金の1日分の額) × ③再就職後6ヶ月間の賃金の支払い基礎となった日数

では、計算に必要な項目を確認していきましょう。
 
 

①離職前の賃金日額

 
まず、「離職前の賃金日額」についてですが、これは雇用保険受給資格証の1面にある14欄に記載されている金額となります。

雇用保険受給資格者証_red

ただし、賃金日額には、上限と下限が定められています。

上限額を超える場合には上限額、下限額より低い場合は下限額となります。
それぞれ以下の通りです。

<上限額>

離職時の年齢が30歳未満の方

13,420円

離職時の年齢が30歳以上45歳未満の方

14,910円

離職時の年齢が45歳以上60歳未満の方

16,410円

離職時の年齢が60歳以上65歳未満の方

15,650円

<下限額>

全年齢共通

2,470円

 

②再就職後の6ヶ月間の賃金の1日分の額

 
次に、「再就職後6ヶ月間の賃金の1日分の額」ですが、次の計算式で算出することができます。

 

<月給制の場合>

 再就職後6ヶ月間の賃金の合計額※ ÷ 180

<日給・時給の場合>

次の(1)(2)のうち、どちらか金額の高い方です。

(1)再就職後6ヶ月間の賃金の合計額※ ÷ 180

(2) (再就職後6ヶ月間の賃金の合計額※ ÷ 賃金支払いの基礎となった日数)×70%

※再就職後6ヶ月間の賃金の合計額とは、税金や雇用保険料などが控除される前の総支給額で、通勤手当や皆勤手当などの手当を含みます。

 

ただし、賞与やボーナスなど(3ヶ月を超える期間ごとに支払われるもの)は含みません。

ここで算出された金額が、「離職前の賃金日額」を下回っていなければ、就業促進定着手当は申請することができません。
 
 

③再就職後6ヶ月間の賃金の支払い基礎となった日数

 
最後に、再就職後の6ヶ月間の賃金の支払い基礎となった日数について確認しましょう。

<月給制の場合>

暦日数(30日、31日など)でカウントします。例えば、4月は30日、5月は31日というように、その月の日数を合計します。

<日給月給の場合>

基本給が支給された日数をカウントします。

<日給制・時給制の場合>

労働した日数でカウントします。

 


 

以上が、就業促進定着手当の計算に必要な項目です。

実際に計算してみましょう。

 

計算例
 

<例>
対象者:Aさん 33歳 

  • 再就職手当・・・受給
  • 離職前の給与・・・30万円(月給制)
  • 再就職手当の給付率・・・70%
  • 支給残日数・・・90日
  • 再就職日・・・4月1日
  • 再就職後の給与・・・25万円(月給制)

①の離職前の賃金日額は、10,000円(30万円×6ヶ月÷180)です。

②再就職後の6ヶ月間の賃金の1日分の額は、月給25万円の場合は、

25万円 × 6ヶ月 ÷ 180 = 8,333円

となります。

③再就職後6ヶ月間の賃金の支払い基礎となった日数は、4月1日~9月30日までの183日間です。
これを先ほどの計算式に当てはめてみましょう。

 

(①10,000円 - ②8,333円)× ③183日 = 305,061円

 

このようになり、Aさんの就業促進定着手当の支給額は、約30万円となります。

 

 

ただし、このままの金額をもらえるわけではありません。
就業促進定着手当には、次に計算する支給上限額が設けられており、支給額が上限額を超えた場合は、上限額が支給されることになります。
 
 

3.支給上限額

 

就業促進定着手当の支給上限額の計算式

 
就業促進定着手当の支給上限額の計算式は次のとおりです。

上限額 = ①基本手当日額 × ②支給残日数 × ③40%(or 30%)

計算に必要な項目を確認してみましょう。
 
 

①基本手当日額

 
基本手当日額は、雇用保険受給資格証の1面にある19欄に記されている金額です。

基本手当日額

ただし、基本手当日額には年齢によって上限額が定められています。

基本手当日額の上限額は、以下の通りです。

  • 離職時の年齢が60歳未満の場合・・・6,070円
  • 離職時の年齢が60歳以上65歳未満の場合・・・4,914円

(※平成30年7月31日までの金額です。)

基本手当日額が、上限額を超えている人は、この上限額を使って計算します。
 
 

②支給残日数

 
支給残日数は、雇用保険受給者資格証の裏面に記載されています。
最後に失業の認定を受けた後の、支給残日数を使って計算します。
 
 

③40% or 30%

 
支給上限額の計算に使用する40%または30%は、再就職手当の支給率によって変わります。

  • ・再就職手当の支給率が70%だった場合・・・30%
  • ・再就職手当の給付率が60%だった場合・・・40%

 


以上が、就業促進定着手当の支給上限額に必要な項目です。

では、先ほどのAさんの例で支給上限額を計算してみましょう。

計算例
 

Aさんの基本手当日額を5700円と仮定します。支給残日数は90日、再就職手当の支給率は70%です。

<Aさんの上限額>
5,700円 × 90日 × 30% = 153,900円

よって、Aさんがもらえる就業促進定着手当の金額は、上限額の153,900円となります。

 

支給額と上限額の差が大きいのでショックかもしれませんが、ある程度まとまった金額を保証してくれるのはありがたいですね。

それでは最後に、就業促進定着手当の申請期限と時効についてみてみましょう。
 
 

4.就業促進定着手当の申請期限と時効

就業促進定着手当 期限

 
就業促進定着手当の支給申請書は、再就職手当の支給決定通知書と一緒にハローワークから郵送されます。

申請期限は、再就職した日から6ヶ月経過した日の翌日から2ヶ月間です。
該当する人は、申請する準備をしておきましょう。

申請先は、再就職手当の支給申請を行ったハローワークです。
郵送での申請も可能です。

申請の際には、次の必要書類をそろえて申請しましょう。

<申請書類>

  • ①就業促進定着手当支給申請書
  • ②雇用保険受給資格者証
  • ③就職日から6ヶ月間の出勤簿の写し
  • ④就職日から6ヶ月間の給与明細または賃金台帳の写し

上に書いたように、就業促進定着手当は、再就職した日から6ヶ月経過した日の翌日から2ヶ月間という申請期限が設けられています。

ですが、この2ヶ月間に申請できなかったとしても、雇用保険には2年間の時効がありますので、再就職した日から6ヶ月経過した日の翌日から2年を経過する日まで、であれば申請、受給することができます。
 
 

5.まとめ

 
今回は、就業促進定着手当の支給条件や支給金額、申請期限についてご紹介しました。

支給額と支給上限額の差は大きいですが、もらわないと損ですので、該当する人は是非申請するようにしましょう。

また、申請期限を過ぎても、2年間の時効があります。
うっかり忘れていたり、もらえると気づいていなかった人でも、この期間内であれば申請することができるのは嬉しいですね。

今回の記事が参考になれば幸いです。